【感想】推し、燃ゆ
~あなたも他人事ではないはず、宇佐見りんの世界観~

ライブ A.読書記録


◆ 推し、燃ゆ ◆
 
まずは、「推し、燃ゆ」というタイトルに惹かれてこの本を手にとった。
  
炎上したことを「燃ゆ」と表現したのは、
とても素敵な感覚。
 


  
わたしの人生において、とくに「推し」の存在はいないものの、なぜか他人事ではない話だなと感じた。
   
現代は、自分の好きなことに打ち込むことすら難しい時代だと思う。
   
「好き」を突き進めると、
まわりの人々や社会から批判される。
  
それでも自分の人生を描くべきだと
改めて考えさせられた。
  
  
▫️印象に残った言葉
    
・さかのぼると、数字の四、に思い至る。一、二、三ときて、なぜああいうふうなかたちになるのだろう。
    
・「あんた見てると馬鹿らしくなる。否定された気になる。あたしは、寝る間も惜しんで勉強してる。ママだって、眠れないのに、毎朝吐き気する頭痛いって言いながら仕事行ってる。それが推しばっかり追いかけてるのと、同じなの。どうしてそんなんで、頑張ってるとかいうの」
    
・体力やお金や時間、自分の持つものを切り捨てて何かに打ち込む。そのことが、自分自身を浄化するような気がすることがある。つらさと引き換えに何かに注ぎ込み続けるうち、そこに自分の存在価値があるという気がしてくる
    
・這いつくばりながら、これがあたしの生きる姿勢だと思う。二足歩行は向いてなかったみたいだし、当分はこれで生きようと思った。体は重かった。綿棒をひろった。

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